研究概要 |
今年度は最終年度であり,当初研究計画に基づき,国内で4回,海外で3回の現地調査・資料収集を行った。研究の成果を国内外の6学会にて口頭発表するとともに,学術論文9本(内査読誌4本)として報告した。具体的な内容は以下の通りである。 1)理論的枠組みの構築と聖地管理の課題の整理:昨年度までの研究成果をふまえて,観光が聖地にあたえた影響を分析する上での理論的枠組の構築を図り,既存の文献資料や各種メディアを利用して世界各地の著名な聖地の現状と観光化の進展状況,及び各聖地の課題と問題点について検討した。研究成果を日本地球惑星科学連合2010年大会や日本宗教学会で口頭発表するとともに,地理学評論誌に学術論文として公開した。 2)研究対象地域での現地調査の実施:一昨年度および昨年度に引き続き現地調査を実施した。具体的な調査内容は次の5点であった。(1)聖地における観光化への対応と布教戦略,(2)宗教的コミュニュティ(信徒)における聖地(教会等)利用の実態,(3)地域社会(行政・観光業界など)における観光戦略と聖地の商品化,(4)聖地を巡る観光客(ツーリスト)の動態(観光行動);(5)地方都市における住民の生活環境の様態と観光行動。 3)研究打ち合わせ会を実施:筑波大学において,研究代表者と研究分担者,研究協力者による研究成果の中間報告および今後の研究計画について報告し,意見交換を行う。 4)研究成果の最終報告:日本地理学会・日本宗教学会・日本地球惑星連合大会ほかの学会において,研究成果の発表を計7回行い,他研究者との意見交換をはかった。同時に学術論文9本(査読誌4本),図書5件を得た。また3か年の成果を,学術書として出版を企画している。
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