研究概要 |
研究期間2年目の今年度に実施した主な研究内容とその成果は以下の通りである。 1.昨年度に引き続き,英国及び米国を中心とした国々の地理的技能と学力の評価に関する諸資料・情報の収集を,現地調査も交えながら遂行した。前年度に比べ環境教育など地理教育を取り巻く社会系教科関連領域にも目を配ると同時に,初等・中等教育に加え高等教育における評価に関する資料・情報も収集した点が特徴である。 2.日本国内に関しては,全国の県立高校入試問題集を購入し,その中で出題されている地理・地図関連問題の検討を行った。さらに、地理的技能を伸ばすための大型のアメリカ製の掛け地図や地図教材を購入し,日本社会科教育学会香川大会では,地理的技能やテストの在り方に関係する研究発表並びにESDと地理教育についての課題研究を通し関係者との意見交換を行い,評価に関する考察を多面的・多角的に深めた。 3.地理的技能の中でも地球儀を活用した授業,統計と地図を組み合わせた作業学習,並びに地域調査調査遂行手順について中心的に調査・考察を進め,授業構成のあり方について教員養成とも関連づけながら,社会科授業構成を解説した書籍や統計研究分野雑誌にて発表した。 4.これら研究を通し,地理的技能と学力の明確化を個別に図ると同時に,その成果報告を国際的に発信した。具体的には,IGU-CGE Tsukuba Conference 2009(国際地理学連合地理教育委員会つくば大会)をはじめとした国内外の国際学会での研究発表,海外雑誌や学会誌への英文論文投稿・掲載が代表である。これらは,英国・米国・日本毎に個別に進めてき本研究の成果を相互に比較する段階へ進んできていることを意味する。成果の一部は,日本学術会議(地域研究委員会・地球惑星科学合同 地理教育分科会)における研究代表者の講演に活用されており,日本の地理教育改革に寄与する本科研研究成果の意義・重要性を示している。
|