研究概要 |
本研究の主たる論点は、次の2点である。1つ目は、移民達は先進工業国で「自分達の場所」をどのように作りあげてきているのだろうか。越境することにより彼らの社会やアイデンティティのあり方にどのような変化をもたらしてきたのだろうか。2つ目は、東京のインド人社会はきわめて新しい移民社会であるが、彼らの新しいコミュニティを形成する上で、近くにいる者との対面接触に加え、遠くにいる者や未知の者同士を直接結ぶインターネットが重要な役割を果たしている。このような新しいエスニック・コミュニティの成立においてインターネットはどのような役割を果たしているのだろうか。そしてそれは、「自分達の場所」を創造することにどのように関わっているのだろうか。ギデンズ(Giddens, A.)の近代性に関する理論を援用して、在日インド人社会の空間がグローバル化のもとで再編成される過程を脱領域化と再領域化の概念を用いながら考察する。
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