本研究は、ライフコース分析という方法を用いることによって、エチオピアの森林域に住む焼畑移動農耕民の各年齢・成長段階(子供期・思春期・大人期)における環境利用技術・生業技術獲得プロセスを定量的・定性的に明らかにし、「森林資源に依存して生きる人々は環境利用技術を具体的にどのようなプロセスで習得するのか?」という問題に実証的に答えようとするものである。結果として、焼畑や森林における狩猟採集技術の習得には長期間の経験が必要であることがわかり、このことが当該社会の出生力が低いことの一因であると推測された。
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