研究課題
平成20年度は戦後の琉球政府領域(奄美大島および現沖縄県領域)において発生した各種社会運動を主として地方紙(琉球政府管轄下各諸島で発行されたもの)の記事から拾い出す作業を行った。これまで未検討の地方紙を閲覧するために平成20年9月および平成21年3月に沖縄県を訪れ、沖縄県公文書館(南風原町)、琉球大学付属図書館(西原町)、沖縄県立図書館(那覇市)、那覇市立歴史博物館(那覇市)において資料収集を行った。同時に各諸島で発行された新聞(奄美タイムス、宮古民友新聞、みやこ新聞、宮古毎日新聞、夕刊南西新報、海南新報、八重山毎日新聞など)の復刻版を購入した。これら資料から、戦後(1945〜2007年、ただし奄美諸島に関しては日本復帰した1953年頃まで)の社会運動、選挙、政党活動など政治運動(その発生、結果、経過、関連声明)に関わる基礎情報を抽出し、各諸島・各項目・各年代別にデータベース化することを始めた。このデータベースを分析することによって、戦後の各諸島・各市町村での政治運動の発生、社会経済的状況、およびそれらの変化を把握することが可能となる。とりわけ、50年代から60年代にかけての各諸島での日本復帰運動の展開過程を検討することによって、各諸島でのローカルおよびナショナルな領域的アイデンティティの社会運動を通しての形成が明らかになると期待される。当該年度の研究成果は平成21年7月に開催される国際政治学会世界大会(チリ、サンチアゴ市)において発表される予定である。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
G. H. Herb and D. H. Kaplan eds. Nations and Nationalism : A Global Overview, ABC-CLIO 4
ページ: 1748-1758
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/yamataka/home.htm