研究課題/領域番号 |
20520692
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
浅妻 裕 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (70347748)
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研究分担者 |
外川 健一 熊本大学, 法学部, 教授 (90264118)
阿部 新 山口大学, 教育学部, 准教授 (30436745)
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キーワード | 中古車 / 中古部品 / ロシア / アラブ首長国連邦 / リサイクル / 静脈産業 |
研究概要 |
リサイクルネットワーク把握のための海外調査はロシア・UAE・パキスタン・ケニア・マレーシア・カンボジアで実施した。国内では自動車解体業者とのディスカッションなどを重ねた。 2度訪問したロシアでは、ハバロフスク、ウラジオストクの中古車や中古部品市場を視察した。また図書館を利用し、業者の名簿などを入手することでどの程度集積が見られるかも把握できる状況になった。現地では、各都市で部品販売業者の集積が見られるが、大規模業者が集積するウラジオストクは中継地点で、ハバロフスクやナホトカに集積する小規模業者はウラジオストクを中継して商品を購入する傾向が強いことが分かった。中古車と類似の構造が見られる。 UAE、ケニア、パキスタンは中古車や部品の再流通状況の把握を目的として調査を実施した。UAEのシャルジャには日本人業者が新たに進出するなど、中継貿易の拠点としての位置づけを強めている。マレーシアも同じ様な機能を有する場所があるが、シャルジャよりも大規模な業者が展開している。 国内では主に自動車に関わる静脈産業の形成過程に関する歴史研究を進めた。この発展過程で海外への部品輸出が展開したことを考えると、重要な研究プロセスであったと考えている。 これらの成果と平成20年度研究の成果を踏まえ、既存研究と取らし合わせる作業を行った。グローバルな静脈産業の立地やそのネットワークについては、廃棄物・中古品の発生量や再生資源市況、各国の廃棄物行政や輸出入制度の変化が密接に関わってくる。従来の工業立地あるいは商業立地論の枠組みでは十分に捉えきれないといえ、本研究の経済地理学的上の位置づけを明確化する作業を継続して行ってきた。
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