研究概要 |
林業・森林管理・山村住民の居住動向について、吉野林業の中核地域奈良県川上村、拡大地域天川村、外縁地域野迫川村の現地調査をもとに、2010年度人文地理学会大会(於奈良教育大学)において一般発表を行った。現在、成果の取りまとめを進行中である。天川村・野迫川村については約30年前に全世帯の就業・居住状況を調べており、2009-2010年度にかけて同様に現在の全世帯の就業・居住状況を調査した。個人情報の管理に注意し、地域振興施策の参考資料として村役場にデータ提供を提案し合意している。調査カードをもとに大半の素データ入力をすませたが、全体にわたっての用語の統一や加除訂正が残っており、今年度中に提供を行う予定である。 過疎山村において培われてきたアイデンティティを地域の持続可能性に結びつけることを目標の一つにかかげ、愛知県北設楽郡豊根村・東栄町の入混じり村の構成と伝統芸能花祭りの地域特性を調査した。これに関しても、現地調査報告書を作成中である。 上記2調査結果をもとに、IGU部会(Graz-Fribourg)、ERSA大会(Jonkoping)で一般発表を行った。 本科学研究費による成果として、今年度、次の拙稿が刊行された。 Ways out of the difficulties facing agriculture in Japan, Yasutaka Matsuo, Geographical Marginality as a Global Issue ; vol 4. The rural world. Otago, Dunedin, New Zealand, 2010 The role of residents' associations in the emergence of local development partnerships, Yasutaka Matsuo, Social Capital and Development Trends in Rural Areas. Volume 5, 119-137, 2010 上記の進行中の事項に関して、2011年度中の取りまとめを目指している。
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