研究概要 |
平成21年度は研究メンバー各自が現地調査と資料収集を進め,以下の成果を得た。 水田(研究代表者)は,昨年度に引き続いて石垣島と那覇市で資料収集と聴き取りを中心とした調査を実施し,戦後初期の石垣島における台湾人の定着過程についての証言や資料を得た。 野入(研究分担者)は,浦添市在住の台湾引揚者の聞き取り調査およびデータ分析を行った。また,琉球大学国際沖縄研究所移民研究部門が所有する引揚者在外事実調査票のデータベース化を行い,台湾在住の沖縄県民の就労構造分析を試みた。 松田良孝(研究協力者)は,沖縄県の宜野湾市内と与那国町内で与那国島関係者から聞き取りを実施し,台湾と与那国を含む境域で植民地期から終戦前後にかけて行われていた人的な移動について調査を行った。 松田ヒロ子(研究協力者)は,昨年度に引き続いて石垣島と那覇市で資料収集と聴き取りを中心とした調査を実施した。 これら研究成果の社会還元の一環として,野入と松田良孝は沖縄県立八重山高校で「台湾-八重山の国際社会学」というタイトルで出前授業を実施し,研究によって得られた知見の還元を図った。 研究成果の公表に向けた準備作業を進め,(1)地域の中学校・高校で用いられる副教材,(2)修学旅行生や郷土史に関心を持つ観光客のための観光ガイド,(3)地域における生涯学習のためのテキストとして用いることが可能な図書の出版企画を立案し,新聞社の出版部門などと協議を行った。
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