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2008 年度 実績報告書

オセアニアにおける伝統政治と民主主義に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20520707
研究機関神戸大学

研究代表者

須藤 健一  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10110082)

キーワードトンガ王国 / 政治改革 / 公務員ストライキ / 新国王の戴冠式 / 国王の民主化宣言 / 立憲君主制 / 憲法改正 / 海外移住
研究概要

2008年8月にトンガ国王・ツポウV世の戴冠式、同年12月にニュージーランドでトンガ人移住者の政治意識についての調査を行った結果、次のことが明らかになった。
ポリネシアのトン王国では、1980年代から教員、企業家および海外移住者を中心に民主化運動が起きているが、立憲君主制を保障する憲法と王族・貴族・平民という身分階層制のために言論・出版の自由や普通選挙制などが規制されてきた。
このような状况下、2005年の国家公務員の賃上げ要求のストライキは、国民に政府批判の言動をもたらし、国王と政府は「国家政治改革委員会」を設置するなど、憲法改正と議会制度の見直しに着手した。政治改革委員会は、2006年に議会の議席数の過半数を平民議員が占める改正案を国王に提出し、議会で議論を開始した。しかし、特権喪失を恐れる貴族議員らの反対が強く、その改革案は議会で承認されず、政府側の議会運営に不満を持つ若者らが首都の建物に放火する暴動がおきるなど民主化の動きは一時頓挫した。
2006年に前国王が死去し、2008年8月に新国王の戴冠式が行われたが、新国王は2010年までにより民主的な政治改革を行うことを宣言した。そして新たに政治改革委員会を設置して、国王の権限や議会制度の見直しを推進することを約束した。当初、政治改革委員会への委員選出を拒んでいた貴族層も委員を送り、2008年10月から委員会は検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 人と学問-石川榮吉2008

    • 著者名/発表者名
      須藤 健一
    • 雑誌名

      社会人類学年報(東京都立大学社会人類学会) 34号

      ページ: 119-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本の南洋群島統治(20世紀前半)2008

    • 著者名/発表者名
      須藤 健一
    • 雑誌名

      『世界史資料9-帝国主義と各地の抵抗II』(歴史学研究会編)、岩波書店 9巻

      ページ: 400-401

    • 査読あり
  • [図書] オセアニアの人類学-海外移住・民主化・伝統の政治2008

    • 著者名/発表者名
      須藤 健一
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      風響社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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