従来の民俗学や歴史学が研究の対象としてきたのは在郷で活躍した真継家配下の鋳物師である。本研究ではこれらの鋳物師に加えて、都市で営業する仏具師や釜師、錫師などの鋳造に関係する職人を対象に、それぞれが伝承する技術や用具類、関係文書などを調査した。これらを通じて、民間に伝わった近代化以前の鋳造技術を復元するとともに、その営業形態を比較検討した。 この成果は、『近代化以前の鋳物業の民俗技術と営業形態に関する研究』、『京都長谷川亀右衛門家の蝋型鋳造』、「錫器製造技術の地域差」(『鋳造遺跡研究会2010』)などにまとめた。
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