Dehesa(地中海性森林)のドングリを利用したイベリコ豚の飼養はイベリア半島で数百年にわたって伝統的に行われてきた。EU成立後の国際経済戦略の一環として、地域社会で流通していたイベリコ豚製品を対外的に売り出すために、ブランド化を促す制度設計が行われた。これは、イベリコ豚飼養が個人から企業に委ねられていく結果を生み出した。一方で、エコツーリズムや地域博物館の設置がイベリコ豚の伝統飼養と関連づけられ、本来は日常的な家畜であったイベリコ豚が地域の文化資源として位置づけられていることが明らかとなった。
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