研究課題/領域番号 |
20520726
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
用田 政晴 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 上席総括学芸員 (00359259)
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研究分担者 |
老 文子 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸員 (60470184)
辻川 智代 滋賀県立琵琶湖博物館, 事業部, 業務取扱嘱託員 (70443463)
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キーワード | 民俗学 / 民具学 / 民具資料 / 考古資料 / 博物館資料 |
研究概要 |
1 考古民俗学的方法論の原案作成と理論化作業 『琵琶湖博物館民具資料目録』計5分冊の作成を通した方法論的検討を研究分担者・研究協力者とともに継続的に行った。具体的には、「民具資料自身が備えた情報」の引き出し、「歴史的な視点」の加味、「詳細な観察と記録」および「考古学的実測法」の必要性を通して、最終的には「資料の型式学的操作」による民具の「歴史資料化」を追求すべきであるという理論的骨組みに至った。 2 太湖周辺における民具資料整理方法と展示等の活用例との比較検討 東アジア有数の稲作地帯であり淡水漁業も盛んな太湖地域は、周辺の都市化・工業化が進む中、伝統的な生活・生業が根強く残っている。こうした地域における民具資料の保存と活用方法の調査を行い、詳細な地図資料を得にくい中国にあって、航空写真を利用した新しい民俗調査方法を考案し、家船、漁船、エリの分布図作成を行って、論文をとりまとめた(近刊)。 3 特定の物資文化の通史的復原・検討 ウケ・刺し網などの漁具、犂・首木・鋤・千石・万石・唐箕・踏車などの農具、地機・綿繰機・糸車などの生活用具について、個別具体的な調査・研究を行い、織物関係用具については型式分類・分布を明らかにして、ギャラリー展示『温故知新・近江の糸と織り』(2011年1月23日~2月16日)においてその成果を公表した。 4 日本の博物館資料・歴史資料等の基本的整理・分類方法情報の整備 昨年3月に国指定重要有形民俗文化財に指定された沼津市所蔵の「沼津内浦・静浦及び周辺地域の漁労用具」について、担当者との意見交換、,現地での調査、成果展示・収蔵状況の調査を実施し、今後の民具資料整備の参考資料を得た。
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