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2008 年度 実績報告書

中世ローマ教皇庁のユダヤ人認識に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20529003
研究種目

特別研究促進費

研究機関東京大学

研究代表者

藤崎 衛  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特任研究員 (50503869)

キーワード西洋史 / 中世 / 教皇庁 / ユダヤ / 記憶 / 迫害 / キリスト教 / 十字軍
研究概要

研究の初年度である本年度は、まず必要な資料の収集と並行して全般的な研究動向の把握に努めた。そのうえで、研究計画にもとついて中世におけるユダヤ人迫害のいくつかの事例の検討に取り組んだ。具体的には、第一回十字軍に際する1096年のユダヤ人虐殺と12世紀以降散発した「儀式殺人の告発」を考察の対象に設定した。1096年の事例においては教皇庁の反応は史料上確認できないのに対して、儀式殺人の告発に関しては抑制的な態度を示す傾向がみられたことが明らかとなった。この点については、9月に開催された東京大学グローバルCOEプログラム主催のワークショップ「死者の記憶と表象のポリティクス」において発表した。フランスの人類学者も多く参加したこのワークショップにおいては、迫害を記した年代記史料に表れるレトリックや神話的要素について人類学の立場からの指摘を得、議論を深めることができた。また、冬には、イタリア・ローマのローマ大学やドイツ歴史学研究所において関連資料の調査を実施するとともに、現地研究者と議論を交わした。本年度を通じて、教皇庁の主な所在地であったローマのユダヤ人コミュニティの存在及び教皇庁との関係が本研究にとって重要性を有することが明らかとなった。この点については、次年度の主要な研究課題として取り組む予定である。

備考

基盤C

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] はかなき肉体一中世中期における教皇の死の表象2009

    • 著者名/発表者名
      藤崎衛
    • 雑誌名

      死生学研究 11

      ページ: 335-354

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 中世のローマ教皇権と宗教運動2008

    • 著者名/発表者名
      藤崎衛
    • 雑誌名

      小澤実(編)『物語るロマネスク霊性』(『クリオ』22号別冊)

      ページ: 95-104

  • [学会発表] 中世ユダヤ人迫害の記憶構築一儀式殺人の非難と1096年の迫害2008

    • 著者名/発表者名
      藤崎衛
    • 学会等名
      国際研究集会ワークショップ「死者の表象と追悼のポリティクス」
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      2008-09-19
  • [備考]

    • URL

      http://fujisaki.main.jp

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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