研究課題
基盤研究(C)
現代的な法源論のなかでも重要な論点の一つとして,判例変更の遡及効の制限の問題を中心に検討した。判例変更による新たな判例原則は,遡及効を有し,変更以前の契約や事実に遡って適用される。しかし,旧判例を前提として行為した当事者に不測の損害が生ずることがあるので,破毀院は,例外的に遡及効を制限する権限を自己に認めるに至った。しかし,なお,これには伝統的な法律中心主義の考え方から反対が強く,目下のところ議論は小休止状態にある。