中国では2009年3月17日に「人民法院第3次5ヵ年改革綱要」が公表され、2009~2013年の間の司法改革の具体的な目標が明らかにされた。そこでまず、この「綱要」が設定した改革の内容についての分析に取り組み、その意図、目的、改革の現状などを解明することとした。そのためには、第3次改革に先立ち、1998年~2008年にかけて実施されてきた第1次および第2次の人民法院5カ年改革綱要との内容の違いを明らかにすることが不可欠であり、これまでの調査研究を踏まえ、第3次改革の特徴を抽出することに力点を置いた。 また、これらの調査内容を確認するため、10月に北京市で最高人民法院および高級人民法院の協力を得て、ヒアリング調査をほぼ1週間かけて実施した。また、その間に北京市在住の研究者と意見交換をおこなった。 以上の調査研究によって、新段階の改革における重要な課題と、そこに残されている問題とを明らかにし、本研究が与えられた期間におこなうべき調査について、初歩的な成果を得ることができたものと考える。
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