2002年の中国共産党第16回大会は、前年末にようやく実現したWTO加盟を受けて、諸外国から要請されていた法治主義の一層の強化を実現するために、その一環として司法改革に取り組む方針を明らかにした。ただし司法改革は、国外から強く要請されていただけでなく、国内にもそれ以上に深刻な必要性が存在していたため、すでに1990年頃から少しずつすすめられていた。 本研究では、中国で現在展開されている司法改革の実態を解明することにより、それが法治主義の強化にとってどのような役割を果たそうとしているのか、言い換えれば、それは諸外国が期待するような方向での改革となっているのか、という点について検討する。
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