研究課題/領域番号 |
20530006
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松本 英実 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50303102)
|
研究分担者 |
葛西 康徳 大妻女子大学, 文学部, 教授 (80114437)
|
キーワード | mixed legal system / mixed jurisdiction / Roman Dutch Law / スコットランド法 / 南アフリカ法 / 法源論 / 法典論 / diffusion of law |
研究概要 |
本基盤研究の目的は、コモン・ローとシヴィル・ローの「混成」法システム即ち「ミクスト・リーガル・システム(Mixed Legal System)」に対する最近の研究を批判的に吟味することを通じて、日本法の比較法上の位置と特徴の一端を明らかにするともに、日本法を英語で説明・発信するための教材を準備することである。本年度は、第一に、ミクスト・リーガル・システムのキーであるローマン・ダッチ・ローについて、その資料調査を行った。特に英国における調査に際し、オランダのローマ法資料、とりわけ17世紀、18世紀の裁判資料に関する文献について、オクスフォード大学B.Sirks教授の貴重な助言・協力を得ることができた。第二に、南アフリカ法について資料収集・資料情報の整理を行った。これについては、英国における資料調査の際、ケンブリッジ大学J.Allison博士の協力の下に作業を進めた。第三に、日本法をミクスト・リーガル・システムとしてとらえる枠組みを明らかにすべく、理論的探求を進め、「diffusion of law」、「法の界面」概念を用いた試論を発表して内外に批判を仰いだ(葛西「法の界面活性」NBL900号)。第四に、日本法を英語で発信するための準備・試みとして、ドイツにおける学会報告を英語で行った(松本"Reception of German Law in Japan")。第五に、ミクスト・リーガル・システムの視点を活かした日本人を読者とするコモン・ロー入門書の編集について、ケンブリッジ大学教授ジョン・ベイカー卿と協働し、執筆者との具体的な相談を進めた。
|