研究課題
本年度は、「ミクスト・リーガル・システム(Mixed Legal System;あるいはミクスト・ジュリスディクションMixed Jurisdiction)」に対して1)スコットランドにおける調査(Edinburgh大学)2)米国ルイジアナにおける調査(Tulane大学)3)南アフリカにおける調査(Stellenbosch大学、Cape Town大学、South Africa大学、Pretoria大学)を行い、各大学において、ミクスト・リーガル・システム研究方法論をめぐる論争に対する日本法の貢献の可能性について発表および意見交換を行った。方法論を巡ってはミクスト・リーガル・システムをコモン・ローとシヴィル・ローの混合と定義するアプローチと、より広く様々な法の混合と定義するアプローチの間での議論がさかんであるが、前者を採用して日本法をMLSとして考察する可能性を具体的に示し、むしろ狭義の概念による方が厳密かつ双方向の比較がおこないやすい面がある、という試論を展開した。加えて4)イングランドにおいて集中的にコモン・ロー法源論を中心とした探求を進め5)オクスフォード、ケンブリッジ両大学のMLSに関する蔵書調査を行うと共に6)MLS研究にとって不可欠なコモン・ロー理解について、日本人ジュリスト向けの教科書作成の準備を進めた。以上を通じて、さらに研究を深化させるための海外研究協力体制が強化れ、序論の次の段階として焦点を当てるべき論点(法源、衡平、信託、名誉毀損等)が明確になった。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
19世紀学研究
巻: 5号 ページ: 113-122
人文社会科学研究所年報2009(敬和学園大学)
ページ: 11-18
G.Thiir, ed., Symaosion 2009
ページ: 117-129