研究概要 |
平成20年度は,科研費補助研究の初年度であり,(1)裁判所構成法に関する基礎的資料収集と(2)分析視角の検討に充てられた。 (1)基礎資料収集については,(i)科研費を得て法務図書館貴重書中に裁判所構成法関連資料をほぼ複写・引き延ばしができた。(ii)また関連資料について横浜の開港資料館におけるフランス外交文書,イギリス外交文書を収集できた。(iii)さらに科研費を使った出張により,ドイツ連邦公文書館,プロイセン資料館,ドイツ外交資料館におけるオットー・ルードルフ関連資料をほぼ複写できた。これらの資料館はいずれもベルリンにあったが,特にドイツ連邦資料館とプロイセン資料館は郊外にあり,また,目録なども事前の準備と異なっていたにもかかわらず,資料を発見できたのは本当に幸運であった。(iv)更に,郵送費等を使って,ハンブルク高裁,エルベルフェルト地裁の所長に関連資料がないか問い合わせたが,存在しないとの丁寧な返事をいただいた。発見し得た資料等は獨協法学に掲載している。 (2)分析視角としては,裁判所構成法とボワソナード草案やフランス法の関連という問題を取り上げている。具体的成果として,境界確定訴訟についての裁判所構成法の管轄規定と旧民法典との関連をしてきた論文を発表した。その内容は,学会報告及び民商法雑誌に発表した。
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