研究課題/領域番号 |
20530032
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
木下 智史 関西大学, 法務研究科, 教授 (40183793)
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研究分担者 |
大津留 智恵子 関西大学, 法学部, 教授 (20194219)
小泉 良幸 関西大学, 法学部, 教授 (90272054)
松代 剛枝 関西大学, 法学部, 教授 (70250660)
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キーワード | テロ対策 / 憲法理論 / 刑事手続 / 政治学 / アメリカ / 市民的自由 / グローバル化 |
研究概要 |
研究代表者、研究分担者とも、現在、合衆国における「テロ対策」が法学・政治学的にどのように問題を惹起しているかについての研究を進め、着実にその成果も公表されつつある。 木下は、国内治安維持政策と市民的自由の緊張関係を「明白かつ現在の危険」基準と「ブランデンバーグ基準」の展開を軸に考察した論考を発表するとともに、イェール大学において、合衆国におけるテロ対策が惹起する憲法問題についての研究をすすめた。 大津留は、アメリカ政治に関するいくつかの論考を発表し、テロとの戦いを冷戦後のアメリカの秩序形成の試みの枠組みにおいて考察した。 小泉は、9.11の同時多発テロ後のテロ対策が、英米の憲法理論、特に立憲主義の基礎理論に及ぼした影響について研究した。 松代は、捜査機関による証拠収集手続に関して、日本の最近の判例実務・学説をアメリカ合衆国のそれと比較検討することで、市民社会の「安全」と「自由」のあるべき姿を素描した。具体的には、公道上にいる人のビデオ撮影および公領域のごみ集積所に出された家庭ごみの取得について、最高裁平成20年4月15日決定(刑集62巻5号1398頁)やCalifornia v.Greenwood判決(486U.S.35(1988))などを用いて、理論的深化・判断基準明確化に努めた。
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