研究課題/領域番号 |
20530037
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
坂元 茂樹 神戸大学, 法学研究科, 教授 (20117576)
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研究分担者 |
五十嵐 正博 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (70168102)
柴田 明穂 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00273954)
濱本 正太郎 京都大学, 法学研究科, 教授 (50324900)
林 美香 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (60362810)
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キーワード | 国際法 / 交渉 / 裁判 / 多国間条約 |
研究概要 |
今日の国際社会では多様な場面で国家間の「交渉」が行われており、「交渉」は多機能化している。国際法学で主要な研究対象とされてきた交渉は、紛争処理手続における非裁判手続としての交渉(狭義の交渉)であるが、今日の国家間の「交渉」は目的においても形式においても狭義の交渉をはるかに超える現象である。そこにおける国際法の役割の分析は、交渉参加者の観点からも、国際法にとどまらない交渉に関する学術的研究の観点からも、大きな意義を有する。この研究では、この研究は、国際法学で従来は主要な研究対象とされていない、多機能化した現代の「交渉」において、国際法が果たす役割を検討するにあたり、具体的な研究対象として以下の二つの「交渉」類型に着目し、そこでの国際法の役割の分析を行っている。(I)紛争処理としての交渉が前提としていた二国間交渉とは異なる形態の交渉、すなわち多国間交渉、中でも国連を含む多国間条約制度の中での多国間交渉。(II)裁判手続・非裁判手続という二元的な分類で見落とされがちな、裁判に関連する「交渉」、すなわち裁判付託を視野に入れた裁判前の交渉や、裁判所による交渉命令の履行としての裁判後の交渉。 (I)では多国間条約制度の中での交渉における国際法の役割を検討するため、生物多様性条約・バイオセイフティーに関するカルタヘナ議定書、対人地雷禁止条約、クラスター爆弾条約(未発効)での公式・非公式の交渉を検討した。(II)では投資仲裁裁判を含む裁判に関して裁判前の紛争当事者間の交渉を検討した。
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