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2008 年度 実績報告書

表見法理における帰責の構造

研究課題

研究課題/領域番号 20530069
研究機関名古屋大学

研究代表者

中舎 寛樹  名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10144106)

キーワード表見法理 / 帰責性 / 権利外観 / 意思表示
研究概要

本研究は、民法上の各種の表見責任法理において当事者の責任根拠とされている「帰責性」概念について、その構造、および法律行為論ないし意思表示論における位置づけを理論的に明らかにすることを目的としている。本年度は、研究の第一段階として、民法上の各表見法理における規定の沿革・現在の理論状況・判例による運用状況の客観的な分析を行うとともに、比較法的考察を行うための文献収集および情報収集を行った。
各表見法理における規定の沿革・現在の理論状況・判例による運用状況については、民法94条2項、民法478条、表見代理(民109条、110条、112条)について検討し、現在の理論状況及び判例による運用状況は、本人の意思的関与の観点からかなり問題があることが判明したので、そのような結果をふまえて、表見法理の類推適用を抑制すべきとの観点からの判例研究を公表し、立法的提言を行った。また、民法総則の法律行為および意思表示に関する解説(法学セミナー連載)において、各表見法理の解釈に反映させた。
比較法的考察を行うための文献収集および情報収集については、帰責性というわが国独自の概念に由来する文献・情報の収集の困難性から、実質的に類似する理論ないし概念を探索し比較検討する必要性があるため、ドイツで短期間の資料収集調査を行った。これにより、資料収集については十分とはいえないが、検討すべき問題領域等の探求に関しては重要な示唆をいくつか得ることができたので、次年度はドイツ法との比較から帰責性概念の理論的解明に研究を進めて行きたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 多角的法律関係の法的構造に関する覚書2008

    • 著者名/発表者名
      中舎寛樹
    • 雑誌名

      名古屋大学法政論集 227号

      ページ: 185-216

  • [雑誌論文] 実体に合致しない登記と善意無過失の第三者2008

    • 著者名/発表者名
      中舎寛樹
    • 雑誌名

      不動産判例百選〔第3版〕

      ページ: 104-105

  • [雑誌論文] 多角的法律関係の法的構造に関する研究序説2008

    • 著者名/発表者名
      中舎寛樹
    • 雑誌名

      法律時報 80巻9号

      ページ: 100-104

  • [雑誌論文] 不動産登記の公信力にかわる法理として、94条2項類推適用の判例法理をどのように考えるか2008

    • 著者名/発表者名
      中舎寛樹
    • 雑誌名

      『民法改正を考える』(法律時報増刊)

      ページ: 124-127

  • [学会発表] 法律行為についての意見2009

    • 著者名/発表者名
      中舎寛樹
    • 学会等名
      民法改正フォーラム
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2009-03-30
  • [図書] 新・民法学1総則〔第3版〕2008

    • 著者名/発表者名
      副田隆重, 中舎寛樹, 山崎敏彦
    • 総ページ数
      293
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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