平成21年度には、次の3つの作業を並行して進めた。 (1)ドイツにおける権利観の展開に関する調査・検討 まず、平成20年度におこなったドイツ法に関する調査・検討を継続しつつ、さらに、戦前から戦後にかけて展開された「権利」と「秩序」をめぐるドイツの議論動向を調査・検討した。 (2)人格権法の一般的な理論枠組みに関する調査・検討 次に、平成20年度におこなった人格権について基本権保護義務の具体化をはかるドイツの文献の調査・検討を継続し、権利観に関する調査・検討の結果をふまえつつ、人格権法の一般的な理論枠組みの構築を試みた(その成果の一部を後記論文にて発表した)。 (3)社会的人格権および身体的人格権・精神的人格権に関する憲法および民法における動向の調査・検討 人格権法各論に属する類型のうち、平成20年度におこなった社会的人格権に関する判例・学説の動向に関する調査・検討を継続したほか、身体的人格権、精神的人格権に関しても、判例・文献を網羅的に収集し、調査・検討をおこなった(その成果の一部を後記論文にて発表した)。
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