研究課題/領域番号 |
20530081
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
川角 由和 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (80204725)
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研究分担者 |
岡本 詔治 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (60108777)
中田 邦博 龍谷大学, 大学院・法務研究科(法科大学院), 教授 (00222414)
森山 浩江 大阪市立大学, 法学部, 教授 (60278504)
若林 三奈 龍谷大学, 法学部, 准教授 (00309048)
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キーワード | ヨーロッパ私法 / EU(EC)法 / ヨーロッパ契約法 / ドイツ法 / 契約法の現代化 |
研究概要 |
本年度も、研究計画に従い、継続して作業を進行した。ヨーロッパ私法およびEU私法の展開とわが国の契約法および不法行為法の展開をフォローしながら、従来の関連研究の成果を踏まえて、具体的な提言を行うべく研究を進行させた。今年度は本研究の最後の年度であり、とりまとめの作業も行った。研究作業のプロセスにおいては、これまでと同様に、本年度においても定期的に研究会および基礎的な資料の分析・検討会を重ね、海外の研究者との連携のもと国際的な学術交流を行った。いずれの研究会においても、講演原稿を本研究会のメンバーを中心として、事前に翻訳するとともに、研究会当日においても、研究会メンバーによる通訳をつけることで、参加者の便宜を図り、研究会メンバーは、参加者とともに、活発な議論を行った。これらの講演内容については、隣時、今後公表の予定である。このうち、ウルリッヒ・マグヌス教授(ドイツ・ハンブルク大学名誉教授)により、「ヨーロッパレベルで見るドイツ不法行為法」と題された研究会(龍谷大学ともいき荘)は公開研究会の形をとり、同テーマについて関心をもつ研究者らに自由に参加していただき、活発な議論を行った。 また、当該研究会に参加するメンバーが中心となって進めてきた潮見佳男・中田邦博・松岡久和編『概説国際物品売買条約』(法律文化社・2010年6月)が刊行された。加えて、研究会の各メンバーが、海外で開催されるシンポジウムなどにも積極的に参加することにより、より一層の国際学術交流を深めた。こうした公開研究会の開催や、学術交流により、最新情報をもとにして、多数の参加者のもとで、EU法レベルでの私法の動向、また、それに対応した各国私法の現代化現象の分析を行った。また、これらの展開に対して日本法が今後どのようなスタンスをとりうるのかについてもさらに検討を重ねた。現在、これらの講演原稿、また質疑の内容は公表のための作業を行っている。とくに、ドイツ法との関係で、ドイツ不法行為法の基礎資料の翻訳作業は完成しており、近く公表する。さらに、共通参照枠(DCFR)にかかわり、情報および資料を集めた。他にも、本研究の観点から近時の民法改正作業にかかわった論稿を発表した。
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