近代日本における官吏制の量的拡大とその動因を、統計データの利用可能な、概ね明治20年代から昭和10年代の時期について、検討する。 (1)(1)『日本帝国統計年鑑』掲載の各省庁の局レベルの職員数を確定し、さらには、内閣印刷局『職員録』を利用して、各省庁局課レベルの職員数の変遷を確定する。 (2)その際、官吏のみならず、戦前期における常勤的な政府職員である雇員をも検討の対象とする。その際、当該時期の官吏や雇員の身分に関する法令や恩給制度の変遷について、その運用実態を含めて、検討する。 (2)(1)官吏・雇員など行政官僚制の職員が量的に増大する時期と、量的拡大が停滞する時期を確定し、その原因を明らかにする。特に、各期における内閣の政策、日清日露戦後経営や行政整理・緊縮財政などの政策が与えたインパクトにっいて、政府文書や帝国議会速記録を通じて確定する。 (2)以上を通じて、日本における行政国家化の特徴を官僚制の量的拡大から明らかにする。
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