• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

戦後日本市民政治の歴史分析

研究課題

研究課題/領域番号 20530119
研究機関一橋大学

研究代表者

中北 浩爾  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30272412)

キーワード戦後 / 市民社会 / 日本政治
研究概要

第一に、当時の雑誌・新聞記事や一次資料の収集、関係者へのインタビュー、それらの整理および分析を積極的に進めた。これについては、以下の論文の中で活用されている。
第二に、論文を二つ執筆した。まず一つは、「日本型多元主義の時代へ」という論文であり、同時代史学会の『同時代史研究』に掲載された。この研究を進めていく過程で、市民主義のインパクトが、社会党のみならず、政権党であった自民党まで及んでいることを発見した。具体的には、与野党伯仲という危機を背景として1977年に導入された総裁予備選挙がそれであり、一般党員の総裁選挙への参加を可能にするこの導入を契機として、1970年代末からの保守復調が導き出されたことを、論文の中で明らかにすることができた。
もう一つの論文は、「松下圭一と市民主義の成立」である。市民主義の成立を導いた理論的なリーダーは法政大学教授の松下であったが、1950年代後半以降の彼の著作を通じて、いかにして近代主義やマルクス主義から切り離された市民主義が理論的に成立したのかを分析した。あわせて市民主義の定義を示すという試みも行っている(『立教法学』第86号に掲載予定で入稿済み)。
第三に、単行本の執筆計画を進め、構想を練り上げるとともに、執筆に具体的に着手した。本の刊行までには様々な過程をへなければならず、形にするには時間がかかるが、上記の論文を土台として、書き溜めるという作業を徐々に行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料収集を順調に行うとともに、論文の執筆を行い、基礎的な分析をほぼ終えている。本の執筆については、進展が思わしくない部分もないこともないが、構想をまとめ、少しずつであるが書き進めている。全体としては、今年度の目的はおおむね達成されたと考えている。

今後の研究の推進方策

来年度が最終年度である。本の執筆を進めていくことが主たる作業となる。これとあわせて必要な資料収集や講読を行い、戦後日本の市民政治に関するスタンダードな研究として完成させたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 日本型多元主義の時代ヘーポスト高度成長期の自民党政治2011

    • 著者名/発表者名
      中北浩爾
    • 雑誌名

      同時代史研究

      巻: 第4号 ページ: 3-18

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi