本研究では、近年公表された仏米英などの一次史料に基づいて、1960年代末~70年代前半、ベトナム戦争終結後の安定的なアジア地域秩序形成を目指して、米仏など西側主要国間で展開された、ベトナム戦後復興・開発援助をめぐる国際関係の歴史的展開について、フランス外交に焦点を合わせて分析を行った。70年代から現在に至るまでのフランスの対米外交の特質やアジア地域及び国際秩序形成における(フランス外交の)ダイナミズムを明らかにすることを目標とした。分析の過程では、本研究の対象であるポンピドゥー政権期のフランス外交を、フランスのいわゆる「自立外交」の礎を築いたといわれる「ドゴール外交」を比較するという手法もとった。研究成果は、(5. に記載した通り)邦語・英語で論文・学会ペーパーなどの形で、広く国内外で発表した。
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