本研究では既存の国際関係理論に基づいて関与をより明確に概念定義し、日本、米国、韓国の関与政策の理論的特徴、基本的前提、政策内容、それらの問題点や課題について明らかにしつつ、各国の対北朝鮮政策を関与という一定の枠組みに基づいて理論的な類型化を試みた。 次に、次の2点について明らかにすることを試みた。まず、(1)なぜ各国はそれぞれ異なる種類の関与政策(あるいはその他の政策)を実施しているのかという点である。次に、(2)米国、韓国、日本のそれぞれの対北朝鮮政策において、関与政策が実施されて以来、その性質や政策内容を変化させているが、こうした変化をもたらす要因は何かという点である。本研究では、各国の政策担当者のパーセプションと国内政治の相互作用に着目する重要性が明らかになった。
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