本研究では、「消費分散選好(満足度の高い消費と低い消費を交互に繰り返す傾向)」に関する経済理論を発展させた。第一に、「消費分散選好」が非常に強い場合、ある一時点の消費量を上げると結果的に消費の分散が上昇して全体の満足度が減少する場合があることを示した。第二に、「消費分散選好」が非常に強い場合、消費と投資を同時に考える問題では、金利の変動が激しくとも結果的に得られる消費系列の分散が低く抑えられることを示した。第三に、「消費分散選好」の下では、リスクのある消費系列を評価する場合、消費上昇局面を好むより消費下降局面を避ける傾向が強くなる場合があることを示した。
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