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2008 年度 実績報告書

繰り返しゲーム理論における非フォーク定理的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20530153
研究機関京都大学

研究代表者

関口 格  京都大学, 経済研究所, 准教授 (20314461)

キーワード繰り返しゲーム / フォーク定理 / 不完全公的観測 / チーム生産 / シェアリングルール / ネットワーク / 不完全私的観測 / 費用観測
研究概要

第一に、長期的関係にあるチーム生産のモデルにおける最適シェアリングルールの導出に関する理論的研究を行った。チームの各メンバーの努力水準の選択肢数に比べて全員の働きぶりのシグナルの数が小さいので、これはRadner-Myerson-Maskinによって最初に指摘された、通常のフォーク定理が成立しないケースを拡張したものである。このようなモデルで、均衡として最大限達成できる生産レベルを維持するシェアリングルールの形状を分析した。特に、チームメンバーの生産性が異なるケースを明示的に考慮し、最適シェアリングルールにおける生産性パラメータとメンバー間のシェア比の関係や、シグナルの情報量とチームのパフォーマンスの関係について、これまでの分析結果を更に拡充する結果を得た。
第二に、ネットワーク上の繰り返しゲームモデルについて準備的分析を行った。具体的には、様々なプレーヤーが同時に複数の繰り返しゲームをプレーするモデルを考え、プレーヤーの利得面での繋がりと情報面での繋がりを区別して定式化する。割引因子がそれほど大きくないときは、情報面の繋がりが弱いと協調行動は維持しにくくなるが、そのレベルの見極めについて、準備的な成果を得た。
これに加えて、観測費用のある繰り返しゲームモデルの分析も行った。研究代表者自身の過去の研究に、他プレーヤーの行動を正確に知るには費用がかかるモデルの分析があるが、ここでは(1)完全な情報は入手不可能かもしれないケース(2)得られる情報の精度をきめ細かく選べるケースについて分析した。この新しいクラスのモデルでのフォーク定理の一般的成否について、準備的な成果を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Optimal Sharing Rules in Repeated Partnerships2008

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Sekiguchi
    • 学会等名
      European Meeting of the Econometric Society
    • 発表場所
      Bocconi University
    • 年月日
      2008-08-30
  • [学会発表] Repeated Games with Costly Imperfect Monitoring2008

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Sekiguchi
    • 学会等名
      Workshop on Recent Advances in Repeated Games
    • 発表場所
      State University of New York at Stony Brook
    • 年月日
      2008-07-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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