研究課題/領域番号 |
20530160
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
渡辺 和則 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 学長・教授 (50297743)
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研究分担者 |
浅田 統一郎 中央大学, 経済学部, 教授 (20151029)
八木 尚志 明治大学, 政治経済学部, 教授 (90261825)
野下 保利 国士舘大学, 政経学部, 教授 (10150393)
石倉 雅男 一橋大学, 経済学研究科, 教授 (80222983)
渡辺 良夫 明治大学, 商学部, 教授 (50130844)
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キーワード | 金融不安定性 / 非線形 / 数値シミュレーション / 金融システムの構造変化 / 市場型間接金融 / スラッファ体系 / マークアップ率 / 労働量で測定可能 |
研究概要 |
「金融動学理論」研究班 浅田は、貨幣と金融資産を含む非線形の高次元ケンジアン・マクロ動学モデルおよび変動相場制を前提にしたカルドア型の非線形2国動学モデルの数学的解析と数値シミュレーションによって、政策パラメーターを含む重要な諸パラメーターの変化がシステムの安定性・不安定性や循環的変動のパターンに及ぼす影響を分析した。 「金融制度の歴史的実証分析」研究班 渡辺良夫は、「ポスト・ケインジアンによるケインズ貨幣理論の拡充と展開」は、発達した金融システムを内蔵する現代資本主義経済において貨幣が演じる独特な役割について、(1)長期的な非中立性、(2)内生性および(3)不安定性の3つの視点から分析を行った。野下は、「ケインズ貨幣経済理論の拡張と展開」は、1970年代初めにポスト・ケインジアンがひとつの独立した学派として形成された背景とそれ以降の理論的な発展を振り返り、最近のケインズ主義の復権に至る過程を素描したものである。石倉は、金融システムの構造変化をめぐる近年の論争点である「市場型間接金融の再検証」という課題に取り組むため,貸出債権の証券化に伴う資金循環構造の変化,および,証券の流動性と銀行の流動性選好に注目して,貸出債権の証券化がマクロ経済に及ぼす影響を分析した. 「金融政策と所得分配の理論」研究班 八木は、アムステルダム大学において、固定資本に対する利潤を含む貨幣表示のレオンチェフ体系の中に、労働量で測定可能なスラッファ体系で説明可能な基本部分を見いだし、多部門の投入産出構造と、マクロ経済の重要な変数である実質賃金やマークアップ式との関連を明らかにした研究発表を行った。 招待講演 海外研究者3名を招待したThe Ricardian-Post Keynesian Joint International Seminar(2009/9/5.6)、宇沢弘文東大名誉教授によるPK研30周年記念講演(ポスト・ケインジアンとネオリベラリズムと市場原理主義)(2010/3/15)、小川一夫大阪大教授による招待講演(金融危機と産業構造:「失われた10年」への産業連関アプローチ)(2009/12/26)を開催した。これらの開催において、渡辺(和)、八木、黒木、笠松、山田は中心的な役割を担った。
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