研究概要 |
2009年6月,これまでのチープトーク・ゲーム研究をまとめた"Equilibrium Refinement vs. Level-k Analysis:An Experimental Study of Cheap-talk Games with Private Information"がGames and Economic Behavior誌に公刊された.本年度は,限定合理性の一理論であるLevel-k理論を用いたムカデゲーム実験の分析,"Level-k Analysis of Experimental Centipede Games"を執筆し,改訂を重ねてきた.この論文は一度American Economic Review誌に投稿したが,レフェリーに追加実験が必要とのコメントをいただいたことから,7月に中央大学と公立はこだて未来大学でムカテゲームの実験を実施した.その後,その結果を盛り込んだ改訂版を,9月にインスブルックで行われたEconomic Science Association---European Meeting 2009で発表し,Review of Economic Studiesに投稿した. 川越はホルムとの虚偽コミュニケーションの共同研究"Face-to-Face Lying-An experimental study in Sweden and Japan"を完成し,Journal of Economic Psychology誌への公刊を決めた.また,瀧澤は奥野・柳川・渡邊と論文「組織におけるコミュニケーションとコーディネーション」を経済学論集(東京大学経済学会)に発表した. 最終年度となる平成22年度の課題は,いまだ公刊されていない論文の公刊を目指すことと,新たなコミュニケーション・ゲームの実験を行い,論文を執筆・投稿することである.
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