研究概要 |
本年度の主な研究内容は以下のとおり。 1. (Computational & Applied Mathematicsに発表した論文において) Strong candidate stabilityという性質を満たす投票手続き(voting procedure)について,投票者が無限に存在する場合に独裁者が存在するか否かは決定不可能であることを,数学におけるカントールの対角線論法を応用して示した。 2. (Applied Mathematics E-Notesに発表した論文において) 一般均衡理論における宇沢の同値定理について,均衡の存在とBrouwerの不動点定理が同値であるという結論が決定不可能であるといういうことを,カントールの対角線論法を応用して示した。 3. (同志社大学経済学論叢に発表予定の論文において) 通常は角谷の不動点定理を用いて証明されているNTU(譲渡不可能効用)協力ゲームにおけるコアの存在について,より基本的なBrouwerの不動点定理を直接用いた証明を示した。
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