研究課題/領域番号 |
20530172
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
保住 敏彦 愛知大学, 経済学部, 教授 (60167632)
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研究分担者 |
近藤 潤三 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80111863)
岸川 富士夫 名城大学, 経済学部, 教授 (80186212)
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キーワード | ドイツ社会国家 / ハルツ改革 / 社会国家改革 / 移民問題 / 外国人労働者問題 / ヒルファデイング / ハーバーマス / ドイツ労働市場 |
研究概要 |
この共同研究においては、ドイツ連邦共和国の社会国家としての在り方が、1991年の東西ドイツ統一と1990年代以来進んだグローバル化のなかで、改造と縮小が語られるようになった事情やそれに関わる思想を検討する。 2009年度において、保住は6月に、ブレーメン州立経済工科大学のバス(H.-H.Bass)教授と共同して、ワークショプ「グローバル化とグローバル経済危機の間での労働市場のフレクシビィリ化:日本とドイツの比較」を開催し、日独それぞれ5名の研究者が、労働市場の問題について報告した。なお、このワークショップの報告論文集は、近日中に、ドイツのハンペ出版社から刊行される予定である。保住は、このワークショプのための報告とその後の論文作成の過程で、日独の労働市場に関する資料と研究文献を渉猟し、ワークショップでは「1990年以来の日本の雇用法制の規制緩和とその企業統治への影響」(英文)について報告したが、ドイツについては、2002年の第二期シュレーダー政府が開始したハルツ改革について研究し、論文を発表した。ハルツ改革は、ドイツの社会保障制度の改変を試みるものであり、社会国家の改造の試みと捉える事が出来る。また、保住は、ヴァイマル期のヒルファデイングの思想を社会国家を準備する思想の一つと評価する論文「ヴァイマル共和国後期におけるヒルファデイングの社会国家論」(太田・黒滝・相田編著『ポストマルクス研究』パル出版、2010.4)を発表した。 近藤は、2002年以来の第二期シュレーダー政府およびメルケル政府のもとでのドイツ社会国家改造の試みについて研究し、「現代ドイツの社会国家改革とSPDの危機」「現代ドイツの移民・外国人に関する基礎データ」等の論文や資料を発表した。 岸川は、ハーバーマスのドイツ社会国家に対する批判的見解について研究を続けている。
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