• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

パネル単位根検定の計量理論: クロスセクションの次元が有限の場合

研究課題

研究課題/領域番号 20530177
研究機関日本大学

研究代表者

山本 拓  日本大学, 経済学部, 教授 (50104716)

研究分担者 千木良 弘朗  東北大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30447122)
キーワード経済統計学 / 統計数学 / 計量経済学 / パネルデータ分析 / 単位根検定 / 定数項除去法 / 正規近似
研究概要

平成20年度ならびに21年度の研究において、我々が当初提案し検討を重ねてきたラグ変数を追加する検定方法は、検出力が低くその改善は困難であった。具体的には、これまでの標準と考えられているIm,Pesaran and Shin (Journal of Econometrics、2003。以下、IPS)と比較して検定の検出力が明白に劣っていた。そこで22年度は、別のアプローチを探った。
すなわち本年度は、IPS法に対する2つの変更を提案・検討した。
(1)まず意図的にモデルにおける定数項を除いて検定統計量を構築する方法を考える。これは、推定するパラメーター数を減らすことで、推定の効率性を上げて、検出力を上げようする試みである。この方法は帰無仮説の下では問題がないが、対立仮説の下では定式化の誤りを含むモデルとなる。しかしながら、この状況下でも検定の一致性を持つことを示すことができる。
(2)既存の方法では、検定のために独自の臨界値の数表が必要となるが、Abadir(Econometric Theory,1995)に従いIPSタイプの検定統計量についての近似的分布を考え、正規分布に基づいて検定することを考える。小標本実験により、正規近似は十分に正当化されることが明らかになった。
結論として、上記の改善は効果があることが小標本実験により示された。すなわち、真の根が単位根の近傍にある時に、この方法はIPSより高い検出力を持つことが示された。したがって実用性は高いと思われる。同研究結果は、ISI 2011(Dublin)大会において報告の予定である。ただし、この方法はN(クロスセクションの次元)が大きいときに検定のサイズが下方にバイアスを持つので、この点については今後にさらなる改善の余地が残されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] The Effect of Estimating Parameters on Long-Term Forecasts for Cointegrated Systems2010

    • 著者名/発表者名
      山本拓
    • 学会等名
      19^<th> International Conference on Computational Statistics (COMPSTAT2010)
    • 発表場所
      Paris
    • 年月日
      2010-08-24
  • [図書] 動学的パネルデータ分析2011

    • 著者名/発表者名
      千木良弘朗・早川和彦・山本拓
    • 総ページ数
      338
    • 出版者
      知泉書館

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi