昨年度に引き続き、企業の経済組織と活動のパフォーマンスの関係を分析し、企業を対象とした産業格付けの手法を検討した。 昨年度の法人企業個別データにもとづいた分析結果を踏まえて、今年度は、経済産業省企業活動基本調査の統計データ等に基づいて、企業を産業格付けする際、経営組織、多角化の程度をコントロールすれば、企業活動をかなりの程度、同質的な集まりとしてまとめることが出来ることを明らかにした。さらに、企業の産業分類基準をなす主要な要因の一つである企業規模を示す変数として、資本金、総資産、純資産、従業者数等のいずれの区分に従えば、企業活動の実態の分析に有用であるかを検討した。 一方、科学技術研究分野において、現行の産業分類を企業単位に適用することの限界について、知的財産活動調査と科学技術研究調査の結果を対照することを通して検討した。さらに、知的財産活動調査の個別データにもとづいて業種の区分の仕方を検討し、企業を産業に分類する際の課題を「知的財産活動を捉える業種分類の検討」としてとりまとめた。 また、商業統計調査と法人企業統計をあわせて利用して、卸売・小売業の分野において、多角化の指標をどのように構成するかについて、個別統計データのマッチング作業を行い検討した。 その他、事業所と企業の産業格付けの実際において現れる主要な問題について、統計作成者や格付け担当者からヒアリングを実施した。 以上、企業に係る関連の統計にもとづいて、適切な企業産業分類を構築するために具体に、企業産業分類を構築する上での基礎的な分析結果を獲得している。
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