平成20年度はホテル・レベニューマネジメントの研究を主に行った。 第一に、ビッドプライス法によるホテル・レベニューマネジメントのパフォーマンスを検証し、ビッドプライス(一商品を販売したときの機会費用の推定値)の精度を向上させる手法を考案した。この手法はモンテカルロシミュレーションによって需要の分布を近似する手法である。ビッドプライスは需要の確率分布に依存するので、需要予測の従来のモデルを一般化したモデルを考案し、推定方法の研究を行った。 この研究に関する成果は、科研費シンポジウム(2008年11月沖縄で開催)で発表を行った。 第二に、ホテルの実績時系列データ(販売客室数、平均単価)のデータから需要をセンサー回帰分析によって推定する方法の研究を行った。また、この手法の病院への応用可能性を考察した。 ホテルの宿泊需要は近隣におけるイベントに大きく依存するので、当該ホテルの需要に影響を及ぼすイベントの履歴データが有用であると考えられる。この履歴データを用いて、需要予測の精度を上げる統計的手法の研究を計画している。
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