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2008 年度 実績報告書

家庭内資源配分と格差継承のミクロ実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 20530183
研究機関早稲田大学

研究代表者

上田 貴子  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00264581)

キーワード経済統計学 / 経済政策 / 応用経済学
研究概要

平成20年度は,パネルデータ及びミクロ計量経済学の進展に関する知見を得,また近年各国で研究の拡がりが著しい世代間所得格差の継承とその要因分析に関する文献サーベイを行った.世代間所得格差の継承については,基本的な線形関数分析に加え,近年ではノンパラメトリックな非線形関数分析やquantile regressionを用いた分析に拡がりをみせているため,これらを加えた分析を行う.また,研究項目(A)(B)(C)のうち,(B)「親から子への教育投資と所得格差の継承」に関し,以下の3点について分析結果を得ており,論文を執筆中である.
(1)日本「消費生活に関するパネル調査」を使用して,日本の世代間所得格差の継承の程度の推定を行った.親の所得から子の所得に対する弾力性は有配偶男性で0.4,女性では0.3程度であり英米よりも弾力性が低い,つまり継承の程度が弱いが,北欧諸国等よりは弾力性が高い,つまり継承の程度が強いことが示唆されている.
(2)さらに,上記の所得格差の継承のうち,教育投資による格差継承の割合の推定を行った.親の所得が子の教育選択に与える影響と,子の教育選択から学卒後の所得への影響の推定から,教育水準,塾・予備校通学,高等教育機関の選択が主要な教育を媒介とした所得水準の継承経路と認められる.教育選択と教育のリターンの推定値から,親子間の所得水準継承程度の少なくとも3割程度は教育を媒介とした経路によるものであることが示唆されている.
(3)韓国the Korean Labor & Income Panel Study (KLIPS)を使用して,韓国の世代間所得格差の継承の程度の推定を行った.対象サンプルは,父子関係に限っている.弾力性は0.3程度と考えられ,日本よりもやや継承の程度が弱いことが示唆されている.

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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