研究課題
飛騨地域の人口移動の特徴を明らかにするために、2000年国勢調査の調査結果を用いて実態把握を行った。飛騨圏域の人口移動の重要な特徴の一つは、移動率の低さである。これは総移動率でも、市町村別でも、年齢別でもみられる。また高齢者の移動率が上昇する「反騰現象」の存在が確認できる。年齢別にみると高齢者では流出超過となっている。飛騨圏域内移動の流入超過市町村は、(1)地域の中心都市(高山市、古川町)であり、(2)地域の中心都市の周辺の住宅地域(萩原町、丹生川村、宮村、国府町)である。飛騨圏域の美濃4圏域からの転入数は、136人の流入超過数であった。中濃圏域にのみ流出超過であった。他県からの転入、転出ともに愛知県を中心とする3大都市圏との人口移動が多いという明瞭な傾向が認められた。2000年国勢調査、住民基本台帳人口移動報告、岐阜県人口動態統計調査の調査結果の相違を検討した。飛騨圏城については、全く逆に男の国勢調査では流入超過であるが、岐阜県人口動態統計調査では流出超過であった。これは道路建設(東海北陸自動車道)に伴う工事関係者の流入が主因であると推測される。建設工事関係者は、届出をするケースが少ないためにこうした差異が生じていると考えられる。飛騨地域の「移動しない高齢者」に対する施策として、何が実施されているだろうか。冬季ファミリーホーム「のくとい館」は、高山市高根地区において高齢者の冬季の集住の試みとして2008年度から始まったものである。地域住民から高い評価を得、表彰されるまでになっている。今後の高齢者の生活を援助する先進的な試みとして注目を集めている。
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経済月報(十六銀行)
巻: No.664 ページ: 15-20
Review of Economics and Information Studies(岐阜聖徳学園大学経済情報学部紀要)
巻: Vol.11、No.1・2 ページ: 1-27
http://www.shotoku.ac.jp/tosyo/lib-gifu/publication/index.html