本研究の主な結論は次の通り。第1に、日本の大学のデータを検討し、当局による大学行政を産業組織論の観点から再検討することが有益であることを指摘した。第2に、国立大学81校や私立大学107校のパネルデータを使いトランスログ費用関数をそのコストシェア方程式とともに同時推定することによって、規模や範囲の経済性が存在することを示した。第3に、国立大学のパネルデータを使い確率的フロンティアモデルを推定することにより、その非効率性の存在を明らかにした。第4に、国立大学の集計された時系列データを使い生産関数を推定し、大学教育の技術進歩率が年率0.4%~0.8%程度と低いことを明らかにした。
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