研究概要 |
平成22年度の研究実績の概要は以下の通りである。昨年度に引き続き、中国における製造業に関して、マクロ及び2桁産業分類別の集積が生産に及ぼす効果を分析するために生産関数のパネル分析を行った。まず第一に、集積の推定作業を行うためのパネルデータベースをマクロと産業2桁ベースで作成した。第二に、生産関数のパネル分析を行うために、省別のマクロ及び標準産業分類2桁の集積の計測をするとともに、省別のマクロ及び産業分類2桁の生産量、従業員、民間資本ストック、原材料を含む中間財、各種デフレーター等のデータ・ベースを作成した。第三に、省別のマクロのパネルデータを用いて、「集積の経済」の生産面に及ぼす経済効果を分析した。さらに、食品産業やその他製造業に関する生産関数のパネルデータ分析を行った。それらの計測結果から、中国の製造業において産業集積が生産に正の外部性を持つことがわかった。最後に、中国のエネルギー問題と関連して注目されているバイオ燃料産業を事例として、バイオ燃料産業の産業集積のメカニズムをCGEモデルにより明らかにした。以上のように、22年度は、昨年度に引き続き、製造業における集積の経済の外部経済効果の実証分析を行うとともに、バイオ燃料産業の地理的現状や産業構造のメカニズムをCGEモデルにより総合的に把握した。研究成果は,日本地域学会(東京・政策大学院)や日中地域学セミナー(中国浙江省)等の年次大会で発表した。
|