研究概要 |
柔軟なベースラインハザード関数を用いる固定効果最大尤度法推定に於いては, 生存時間を区間に区切り, ベースラインハザードと時間を追って変化する説明変数が区間内で一定であるという仮定を置いている. 今年度は, 説明変数の値が一定であると仮定する区間の長さを一定としつつ, ベースラインハザード関数が一定であると仮定する区間の長さを短縮したときに, 推定量のバイアスが絶対値で小さくなるかをモンテカルロ実験で確認した. その結果, ベースラインハザード関数が一定であると仮定する区間の長さを短縮すると, 推定量のバイアスが絶対値で小さくなるものの, 大きな変化が見られないことがわかった. 例えば, [0, 1)区間でハザード率が急降下する性質を持つ, α=0.5, γ=1.4のWeibullハザード関数をベースラインハザード関数とし, ベースラインハザード関数が一定であると仮定する区間の長さを1から0.5に短縮しても, 説明変数の係数の推定バイアスの縮小は絶対値で10%程度にとどまることがわかった.
|