本研究は、少子高齢化時代において予想される人手不足に対処するための方策としての外国人労働者受入れのインパクトを考察しようとするものである。そのため、次の4つの段階に分けた研究スケジュールに基づいて実施している。 (第1段階)文献サーベイ、データベース整理、内外の政策担当者・労使関係者ヒヤリング (第2段階)内外の研究者・実務家と討議をしながらの予備的研究 (第3段階)外国人労働者受入れおよびその代替策の効果に関する総合的な理論的・実証的分析 (第4段階)研究成果のまとめと普及、政策提言の実施 平成21年度には、このうち第2段階を中心に実施し、第3段階を開始した。具体的に言えば、以下のようになる。まず、厚生労働省をはじめとする政府関係者、ILO・世界銀行・米州開発銀行の東京事務所職員、各大学の研究者と面会し、少子高齢化や外国人労働者(特に日系人労働者)に関する知見に関する意見交換を行った。また、シミュレーションモデル作成にむけての予備的作業も開始した。これらの研究活動を通じて、ヒトの移動たる外国人労働者の受け入れよりも、貿易自由化の推進(モノの移動)や海外投資(カネの移動)のほうが実効性があるのではないかという知見が得られた。
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