本研究の目的は、第1には、中日経済のデータベースを構築すること、第2には、中日経済の多部門計量モデルを開発すること、第3には、同モデルを用いて日系企業の経済活動が両国の経済に及ぼす影響や対中直接投資に伴う技術移転などをシミュレーション分析することにある。 そのため、本研究では、中日経済の既存統計資料に基づいて、SNAデータの整備(支出、分配、雇用・賃金、価格、付加価値、生産決定など)と産業連関表データの新規推計(2005年)、および新SNAと産業連関表の接合を行い、モデルのためのデータベースを構築する。また、支出(最終需要)、生産決定、付加価値形成、雇用・賃金、価格決定の5つのブロックから中日経済の多部門計量モデルを開発する。そして、このモデルを用いて日本の対中投資や技術移転などの実証分析や将来展望を行う。
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