研究概要 |
H20年は当初の計画通り,研究課題に即した既存文献のサーベイを中心に行った。その過程においていくつかのモデルの構築と分析を行い,日本経済学会をはじめとするいくつかの学会でこれらの報告を行った.まず内藤・伊ヶ崎は環境要素を導入したOTTモデルを構築し,長期の地域間人口分布が家計の環境に対する選好に依存することを示したIkazaki and Nito, "Industrial Population, Environmental Damage, and Regional Agglomeration"を日本経済学会春季大会(東北大学)にて報告した.また,公企業と私企業が競争する混合寡占モデルを用い,公企業の民営化と環境規制政策の関連性を明らかにしたNaito and Ogawa, "Direct versus Indircct Environment al Regulation in the Partially Privatized Mixed Duopoly"を日本応用経済学会(熊本学園大学)において報告を行った。さらに廃棄物の分別行動がリサイクルの促進に寄与するかについて理論モデルを構築し分析した伊ヶ崎・福山「ごみの分別行動とリサイクルの経済分析」も当学会において報告がなされた。前者,2つは欧文査読誌に投稿中であり,最後の論文は『経済学論集』に掲載した,また,研究の過程において,Naito "Can the Privatization of Garbage Disposal Sector have the Disch argers Promote Recyciing?"もWorking paperの形で公刊した. H20年度において,当初の目的である研究成果はある程度達成できたため,次年度以降の研究計画に予定通り進めることが可能になった.さらにこれらの研究成果の一部を収録しした「空間と持続可能な環境政策の理論的研究」がH21度科学研究費補助「研究公開促進費」に採択された.
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