研究課題
前年度から引き続き、プラットフォームを中心とした補完的コンポーネント製品市場における取引構造、システム製品企業間の競争、互換性および品質選択に関する産業組織論分野での最近の理論的・実証的研究の文献展望を行なった。補完製品市場の市場構造(補完合併と垂直統合)および経済厚生について理論的検討を行なったモデル分析論文を国際査読雑誌に公刊した。さらに、本研究を複占のケースに拡張した取引構造の内生的決定と取引構造への規制の効果に関する論文「Quality Choice of Complementary Goods : Asymmetric Regulation is Optimal」の改定作業を進めた。また、宿泊施設や料飲施設といった観光関連産業を想定した補完製品市場での、相互に補完的な製品を販売する企業間における投資へのインセンティブ、および、混合バンドリングを含む価格戦略の戦略的な選択に関する理論的研究について、前年度に実施した分析の精緻化を進めて改定をおこなうとともに国際学会において報告し、査読付の学会報告集に掲載した。さらに、以上のような観光業界における補完的な取引関係を分析する理論的枠組を、観光客と旅行会社と土産物店との取引契約の解明に向けて応用する試みに着手した。具体的には、ツアー旅行客市場と土産物業者の間に市場間ネットワーク外部性を考慮した場合の、旅行会社の「ショッピング・コミッション」の設定に焦点をあて、最適取引契約構造について理論的に検討した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Journal of Industry, Competition and Trade
巻: Vol.11, No.1 ページ: 57-65
Proceedings, the 4th Biennial Conference of the Academy of World Business, Marketing and Management Development 2010
巻: Vol.4, No.1 ページ: 28-33
https://nzn.jim.nanzan-u.ac.jp/rd/search/researcher/100478/profile-j.html
