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2010 年度 実績報告書

会計・金融における制度設計の影響評価シミュレーションの研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530229
研究機関小樽商科大学

研究代表者

江頭 進  小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)

キーワード環境政策 / 制度設計 / エージェント / シミュレーション / ネットワーク
研究概要

本年度は研究計画期間の最終年度として研究成果の最終的なまとめおよび次年度以降の研究についての準備を開始した。特に本年度は、市場での経済主体の行動を表現するための認知主体の研究に特に力を入れた。実際の社会においては、一般の経済学が想定するような客観的に正しい情報(均衡を成立させる情報)が存在するわけではなく、「何が正しいか」ということは各経済主体の相対的な関係の中で決定されていくと考えられる。また、通常の市場は、証券市場の様に需給状況が集中的に処理されることは希であり、いまなお相対取引であることがほとんどである。
そこで本研究では、経済主体が自らのできる範囲で情報をかき集め、解釈し、行動してその結果から学習するようなエージェントを開発し、それらのエージェントの相互作用として金融市場や国際交渉、あるいは一般の財市場で生起する現象を説明するコンピュータシミュレーションモデルの研究をおこなった。これらの研究の中から、各経済主体は均衡にかかわる情報がないにもかかわらず、風評や過去の取引経験から得た自分なりの評価を追加的な判断基準とし、それに従いながら原価にマークアップ率を決定できること、加えて多くの場合、ある程度の範囲内への価格の収束とその中での多様性を描くことが明らかになった。これは均衡概念を前提としなくても、現実に成立している価格の一定性と多様性を同時に説明することができることを意味していると同時に、進化経済学的な価格理論の基礎となる議論である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Two-Countries Negotiation Game by Players Presuming the Opponent's Payoff Structure2010

    • 著者名/発表者名
      Egashira, S.
    • 雑誌名

      Evolutionary and Institutional Economic Review

      巻: 6.2 ページ: 245-258

    • 査読あり
  • [図書] 進化経済学基礎2011

    • 著者名/発表者名
      有西部忠・吉田雅明監, 江頭進・橋本敬・澤辺紀生編
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      日本経済評論社
  • [図書] 現代経済思想2011

    • 著者名/発表者名
      江頭進(根井雅弘編著)
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 進化経済学の諸潮流2011

    • 著者名/発表者名
      八木紀一郎・服部茂幸・江頭進編
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      日本経済評諭社
  • [備考]

    • URL

      http://www.otaru-uc.ac.jp/~egashira/works/works.html

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公開日: 2012-07-19  

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