研究課題/領域番号 |
20530248
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
韓 池 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (40405329)
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研究分担者 |
宮本 勝浩 関西大学, 会計研究科, 教授 (80078998)
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キーワード | exchange rate pass-through / exchange rate dynamics / PCP / LCP / simulation |
研究概要 |
平成20年度の研究を通じて、次の論文を作成した。 「Exchange Rate Pass-through and Dynamics in China」 この論文は、中国と日本をはじめとする中国の主な貿易パートナー(ここでこれらの国を外国と呼ぶ)を分析対象とする2国モデルを構築したうえで、人民元相場の安定性を求めている中国の為替政策のもとで、中国と外国の各種の経済ショックによる人民元相場への影響と中国および外国の経済成長、物価水準、投資、労働需要、経常収支などへの影響をシミュレーションによって分析した。したがって、この分析を通じて、人民元相場の安定性を求めている中国の為替政策のもとで各種の経済ショックによる中国経済と外国経済への相互影響を根拠付きで十分示していた点で、この論文は中国と日本の現実的な経済関係を検討するためにすごく参考価値があると思う。また、人民元レートのpass-through効果を検討するために、本論文は、Calvo staggered price-settingをPCP(producer currency pricing)とLCP(localcurrency pricing)という2タイプの企業が同時に存在している理論モデルの中へ導入した。この分析は本論文のオリジナリティーなところである。また、平成21年度に、平成20年度の研究に基づいて、元高が進んでいる状況の中に、元高による中国の経済成長への悪影響を避け、中国が長期的な安定的な経済成長を維持するために、中国が理論上にどのような為替政策をとるべきかを2国モデルを構築することによって分析する。
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