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2009 年度 実績報告書

中国の為替政策と中国・日本への影響

研究課題

研究課題/領域番号 20530248
研究機関大阪府立大学

研究代表者

韓 池  大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (40405329)

研究分担者 宮本 勝浩  関西大学, 会計研究科, 教授 (80078998)
キーワードMcCallum rule / Taylor rule / DSGE model / PCP / LCP / China
研究概要

平成21年度の研究を通じて、次の論文を作成した。
"Is Taylor Rule Important for China? A Simulated Evidence from a Two-country DSGE Model"
この論文は2国DSGEモデルに基づいて、どのような金融政策が中国経済の運営に効果的であるかを分析した。中国が膨大な外貨準備を持っているプレミアムリスクと不完全なパススルー効果を考えて、この2国モデルの中に不完全な資産市場と異質な中間財企業(LCP中間財企業とPCP中間財市場)を導入してきた。また、McCallumRuleとTaylor Ruleという二つのタイプの金融政策の効果を分析した。そして、シミュレーション分析の結果から次のような主な結論が得られた。
(1) McCallum RuleとTaylor Ruleは中国の実質経済の変動とインフレの変動を安定的に維持するために両方とも効果的であるが、その効果が逆である。McCallum Ruleはインフレの変動を小さくすることに貢献するが、実質経済のより大きな変動をもたらす。これに対して、Taylor Ruleは実質経済の変動をより小さくすることに貢献するが、インフレのより大きな変動をもたらす。
(2) この二つの金融政策の日本を含め中国の主な貿易パートナーへの影響は明らかの違いがない。
(3) 為替レートのパススルー効果の影響を受けて、この二つの金融政策の効果は中間財企業の最適な価格設定行動に依存する。
この論文は非常に現実的な意味を持っている。中国の経済のバブル化がますます深刻化している状態のもとで中国がどのような金融政策をとったらいいかという問題に対して、この論文の丁寧な分析を通じて、実質経済の変動を多少犠牲してもインフレの変動を効果的に抑えるためにMcCallum Ruleは中国にとってもっとも効果的な金融政策であるとわれわれが提言する。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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