平成21年度に実施した研究内容を、当該年度の「研究の目的」及び「研究実施計画」に照らし以下記述する。 【研究の目的】 持続的発展可能な日本の産業構造の構築のためには、産業構造の転換をともなうと考えられるが、本研究は、その場合に生じる産業調整コストを産業内貿易との関連で計測することを目的とする。本研究の平成21年度における研究もこの目的を意図したものである。 【研究実施計画】 本年度の研究は当初計画した3点について以下の通りに実行した。 (1) 第1年と第2年に集めた調査資料(つまり、主に日本の世界との貿易に関する4つの貿易指標:輸出と輸入、純貿易、総貿易など)を2桁及び3桁産業分類に基づき産業内貿易の変化分(限界産業内貿易)の観点で加工し、これらの貿易指標と産業調整コストとの関連性を整理し解析した。 (2) 日本の産業構造転換の様子及び産業調整コストを観るために、昭和60(1985)年、平成2(1990)年、平成7(1995)年、平成17(2005)年、及び平成17(2005)年の接続産業連関表を入手し、その分析を試みた。なお、収集したデータはクロスセクション及び時系列ともに分類基準が異なっているものが多く、体系的な分析に耐えられない場合が多々ある。このため分析対象範囲を狭め、限定的に利用せざるを得ない。 (3) 上記の(2)に関して収集したデータを分析モデルに基づき分類整理し、本研究の分析に必要な追加資料(国内総生産額(GDP)やデフレータ)を収集するとともに、本研究の分析に役立てた。
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